AIに漠然とした不安を持っている
という方は一読しても良いのでは?と思ったのが「ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち」だった。
………いや訂正、結構な内容について著者自身のYoutubeで言及されているので、正直、買わなくていいと思う。Youtubeでいいよ多分。1600円あるならMidjourneyでも実際に触ってみた方がいいよ多分。
なげぇ…
全部聞いてる時間ないんだけど…
みたいな方はチラッと読んでみても良いのかもしれない。
というワケで、今回は「ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち」という本について。あ、記事本文では随所にネタバレや本文の引用もあるので、気になる方はここらでブラウザバックしてね。
「ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち」
大体の内容と感想
AIが当たり前になる世界で、
5年後の私たちの居場所を見つける!ChatGPTをはじめとする生成AIの躍進で、私たちの仕事や生活は大きく変わると予想されます。ホワイトカラーや、クリエイター、プログラマーの仕事がAIに代替されるといわれる今後、私たちは何をして、どこを目指せばいいのでしょうか。
複雑になる社会のなかで、偏らない視点に触れられるよう、著者の堀江貴文氏を中心に、4人の識者(深津貴之氏、緒方憲太郎氏、佐藤航陽氏、茂木健一郎氏)の知見を踏まえ、まとめました。
また、AIで変わる世の中を地図イラスト化。見ても楽しい内容になっています。
目次
- 序章 ChatGPTは世界と未来の何を変えるのか?
- 第1章 結局、ChatGPTで仕事はどう変わるのか
- 第2章 ChatGPT後の社会と、生き方について教えてください
- 第3章 生成AIによってビジネスは変わりつつある
- 第4章 人とAIの違いってどこにありますか?
- おわりに AI時代の幸福論
という目次から構成されている「ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち」。インタラクションデザイナーの深津貴之さんやVoicyの緒方憲太郎さん、スペースデータの佐藤航陽さん、脳科学者の茂木健一郎などとの対話・意見交換を交えながら各分野でのAIについて学べるよ。
い、インタラクションデザイナー…?
わかる。財津チャンネルに出てきそうだよな。
まぁとにかく色々と最先端な人達がChatGPTをはじめとするAIについて語っていく感じという認識でOK。
AIに対するタイムリーで普遍的な疑問
「教育はどう変わるのか」
「今後なくなる仕事、変わる仕事」
「ChatGPT以後、伸びる人はどんな人か」
「私たちにとって幸福な生き方とはどんなものか」
みたいな素朴な疑問に対して各自スペシャリスト達の考え方がまとめられていた。疑問が解消するかといえばまったくそうでもなかったが、ChatGPTをはじめとする生成AIがどんなもので、今後どんな世の中になっていきそうなのか?を知る上では有益な本だったような気がしなくもない。
複雑で可変性のある社会、未来で、様々な視点から体系的に整理するために読んでみても良いのかもしれない。
そこまで込み入った内容はない
単にChatGPTの使い方を解説するのではなく、生成AIでいかに社会が変わろうとしているのか、私たちの仕事や生き方にフォーカスした。今後のAIの進化や、バーチャルな世界についても視野に入れてまとめている。
なお、技術的な話については細かな話になると複雑な点も出てくるため、その点はわかりやすさを重視したことを伝えておく。
と著者が書いているように、AIの革命的な使われ方の手引きみたいなもんは一切ないので注意しておこう。
ただし、
ChatGPTで使えるようなプロンプト(命令文)の例とかはあったので、マジでまだ触ったこともない人なら勉強になると思う。
ある程度マイルドになってる
僕が著者が苦手な理由として上のように言葉が強すぎることがあるんだけど、本書ではマイルドにまとまっていたので、その点は良かった。と思う。
Youtubeの方だと内容よりもホリエモンの使う強い言葉に引っ張られてグイッと意識が持って行かれるので、内容だけを過不足なくまとめられているのは有難かった。
「ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち」
印象的だった文章
「ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち」を読んでみて「ほぉ……」と思った部分、一節を備忘録として抜き出しておく。多くなり過ぎたので数を減らしたが、少しでも気になるフレーズがあれば是非、本編を読んでね。
変わっていく仕事
同じ理由で、コンサルタントの仕事も半分以上なくなるかもしれない。
コンサルの仕事の半分は、クライアントにもっともらしいことを言うための資料作りのようなところがある。これもChatGPTが代わりにやってくれるだろう。
経営者から見ればこの状況は、「資料作成しかしない人なら、いらないじゃん」ということだ。日本は解雇規制が厳しいのですぐ解雇ということにはならないだろうが、ドラスティックなアメリカでは、あり得る話だ。
引用:結局、ChatGPTで仕事はどう変わるのか
ChatGPTの出現によって、言葉を扱う職業を皮切りに、ホワイトカラーの職業も次々 代替されていく可能性があるとのことだった。
良い文章に必要な推敲
ChatGPTに文章を書かせてみて、「面白くない」と言う人は、下書きもせずに書かせて1回で終わらせているか、簡単な条件しか伝えずにいるのではないかと思います。一般的に何か長めの文章を書こうとする時は、事前に準備が必要です。
引用:結局、ChatGPTで仕事はどう変わるのか
準備については本文でチラッと書いてあったよ。
通信社の記者の仕事
ついでに通信社の記者の仕事もAIに代替してもらったほうがいい。考えてみれば、通信社の記者がやっているのは情報のようやくだ。へんに人間の思想が入り込んでしまうくらいなら、要約作業が得意なChatGPTに正確な情報を提供してもらうほうがよっぽどよい。
引用:結局、ChatGPTで仕事はどう変わるのか
AIとの付き合い方
AI進化の波は不可逆です。では、私達は今後どうAIと付き合っていけばいいのでしょうか。次の3つのパターンしかないと思っています。
①AIをうまく使う
②AIと戦う
③AIから逃げる
引用:ChatGPT後の社会と、生き方について教えてください
「老後≒仕事・活動しない」という価値観
緒方さんが紹介してくれた映画「老後の資金がありません!」の結末は納得できる。
そもそも「老後≒仕事・活動しない」という価値観がよくわからない。今の時代、「生涯現役」が基本だろう。
私は母親に常々、「ボランティアでもいいから活動すべき」と話している。社会の中で役割を与えられ、必要とされることで得られる活力は大きい。承認欲求も満たされるだろう。
引用:ChatGPT後の社会と、生き方について教えてください
ピボット
「プレイヤー」に価値があった時代から「アレンジ」に価値を見出す時代へ、「英語の価値が高かった」時代から「英語はグーグル翻訳でなんとなかなる」時代へと、「何が付加価値になるのか」は、次々と変わっていきます。それを考えるなら、人間は、バスケットボールで軸足を中心にくるくると回転していくような、ピボットする能力が求められるのではないでしょうか。
引用:人とAIの違いってどこにありますか?
総括:「ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち」
読書レビュー総括
正直1600円の価値はなかった
気がする「ChatGPT vs. 未来のない仕事をする人たち」だった。なんつーかこう、Youtubeの著者のチャンネルで十分解説されていた内容が多かった。あらためて見たらほぼYoutubeで言ってるじゃん…、と。
内容としては、まだChatGPTについて見識が浅く、
- 何に使えばいいのか分からない
- どんな影響が出るのか分からない
とかいう人なら参考になる部分も多いのかもしれない。僕は著者が苦手なので結構 批判的に、「うそつけお前 言い切り過ぎだぞ」とか思いながら読んでたけど、ところどころには「へぇ…」と顎に手を当てたくなるような意見もあったよ。
それでは!
気になった人は本じゃなくてYoutubeでいいと思うぞ!
【落ちるに落ちれない、上がるに上がれない】『高学歴難民』の書評・名文まとめ
【無意識な偏見&思い込み?】『バイアスの心理学』の書評・名文まとめ